民、信無くんば立たず

民、信無くんば立たず」とは論語に出てくる言葉だ。
ある弟子(子貢)が孔子に政治のやり方を質問したところ、孔子は
  1. 「食(衣食住)を足らす、
  2. 兵隊を強くする、
  3. 国民には政府を信用させる、この三つだ。」とおっしゃった。
子貢が「その三つを全部どうしても達成できないときは、何を一番先に止めますか」と聞くと、

孔子は「兵を止める」と答えた。

子貢はなおしつこく「残る二つ、食と信をどうしても達成できないときは、どちらを止めますか」と質問すると

孔子は

「『食』を止める。人間はどうせいずれ死ぬんだ。国民に信用されない政府なんて政府とはいえない。」とおっしゃった。というのである。


今の日本の政治家が国民の信用を無くしていることは言うまでもない。なぜか。私は、今の日本の代議士全員がそれを職業として、つまり自分が食べていくために立候補しているからだと思う。職業だからそれを失うと困る。だから次の選挙で落ちないよう、どうしたら地元に利益を誘導できるかということしか考えない。こんな代議士ばかりだから、国民は政治家を信用するわけがない。
私の知っている衆議院議員に、自分の選挙区で「その町を政令指定都市にする」、と総選挙でもないのに朝駅で演説している人がいる。それを聞いてこの人は国会議員になる資格はないと思った。次の選挙でも当選したいから朝早く起きて、地元の愚民に媚びていると思った。私見では、彼は県会議員がいいところだ。そんな彼が自分は国会議員でござい、と言って威張っているのを見ると、情けなくなる。 (1998.10.5記)