マックルック: タイ将棋 (Makruk: Thai Chess)
このチェスのバリエーションはタイで最もよく対戦されているものであり、 たくさんのプレイヤーがいる(Pritchardの見積もりでは、200万人のタイ人が少なくともルールを知っていて、他にも数百万人のタイから来たプレイヤーがいるとしている)。
ルール
このゲームは、市松模様のない8×8の盤を使って行われる。使われる駒はチェスと大変よく似通っているため、通常のチェスの駒を使って簡単に対戦できるようにするために、ここではマックルックの駒を、それに相当するチェスの駒の名前で記述することにする。
初期配置
初期配置はチェスと大変似ているが、以下の点が異なっている。まず、白のキングとクイーンの位置が反対になっていて、ポーンはすべて3段目と6段目に置かれる。つまり、初期配置はこのようになる。
白:
キング d1; クイーン e1; ルーク a1, h1; ナイト b1, g1; ビショップ c1,
f1; ポーン a3, b3, c3, d3, e3, f3, g3, h3.
黒:
キング d8; クイーン e8; ルーク a8, h8; ナイト b8, g8; ビショップ c8,
f8; ポーン a6, b6, c6, d6, e6, f6, g6, h6.
動き
キングとルークとナイトはチェスと同じように動く。ただ、キャスリングがないという点が異なっている。
クイーンは、斜めに一ます動く。
ビショップは、前に一ます、または斜めに一ます動く。(訳注:ということは、将棋の銀と同じ)
ポーンは、チェスのポーンと同じであるが、はじめに2ます進むことはできない。6段目に進んだときに、(マックルークの)クイーンに昇格する。
その他のルール
ゲームの目的は敵のキングをメイトすることである。ステイルメイトはドローである。また、片方のプレイヤーがルークとビショップとナイトがなくなったときには、もう片方のプレイヤーは、自分が何枚「大きな」駒を持っているかによって決められる、ある手数内にメイトしなければならず、その手数内にメイトできなかった場合にはドローになる。その正確な数はここでは省略する(また、私が持っている資料には矛盾があるようである。このゲームを実際にしている人で、この点を完全に説明できる人はいないでしょうか)。
追加情報
もともとの駒の名前は、以下の通りである。
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キング: khun - 王
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クイーン: Met - 果物の石 (?)
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ビショップ: Khon または Thon - 貴族 (?)
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ナイト: Ma - 馬
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ルーク: Rua - ボート
時々、ポーンにはタカラガイの殻が使われ、昇格すると裏返される。このゲームのチャトランガまたはシャトランジそして将棋との共通点は顕著である。前世紀には、キングとクイーンには最初に動く時のみ特別な動きが許されていた(キングは最初の動きだけはナイトの動きをすることができ、クイーンは最初に動くときだけ斜めに2ます進むことができる)。しかし、この慣習は現在ではなくなっているようである。さらに詳しくは、たとえばThe
Encyclopedia of Chess Variantsにはこのゲームについて2ページにわたって紹介されていて、対局例とタイ式棋譜表記法も記述されている。
原文:
Hans Bodlaender 文法上の誤りの指摘: Jay Griffith 訳: 関 勝寿
このページは、Hans BodlaenderさんのThe
Chess Variant Pagesを日本語に訳したものです。
This page is the translation of The
Chess Variant Pages maintained by Hans
Bodlaender.
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