鏡の国のアリス (ALICE Chess)
考案者: V.R. Parton 1953
原文: Edward Jackman
アリスの絵
鏡の国のアリスは、NOSTの中で、遊ばれる頻度が上位20位以内に入るメジャーな変則チェスであり、
David Pritchardが、Encyclopedia
of Chess Variants の中でもっとも素晴らしい変則チェスの一つとして薦めているものである。個人的には、これは「すばらしい」要素の入っている数少ない変則チェスだと思う。つまり、もっとも楽しい変則チェスの一つだと思う。
標準的な鏡の国のアリスは、AとBという2個の盤を使う。盤面Aでは通常のチェスの通りに駒を並べ、盤面Bにははじめは駒をまったく並べない。
初期配置図
T
ルールはとても簡単である。2人のプレイヤーが交互に指し手を進めるが、その時にはどちらか片方の盤面の駒を、1回だけ以下の規則にしたがって動かす。
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駒を動かす側の盤面で可能な指し手でなければならない。
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反対側の盤面の、駒を動かした先の桝目に相当する桝目に何も駒がない時に限り、駒を動かしたり敵の駒を取ったりすることができる。
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駒を動かした後、その駒は反対側の盤面の同じ位置の桝目に移動する。
両方の盤面の同じ位置の桝目に、同時に駒が置かれることはない(片方は、かならず空の桝目となる)ため、鏡の国のアリスは、実は1つの盤面で遊ぶことができる。つまり、盤面Bにある駒の下にチェッカーを置くことによって区別すればよいのである。ただ、こうした方が動きが見やすくなるかどうかはわからない。
他にも、鏡の国のアリスのよりマイナーなバージョンも存在する。その一つは、黒の駒をすべて盤面Bに置いた状態から始めるというものである。他にも、アリスさんチェス(MS.
ALICE Chess)という、「ゼロの指し手」を認めるルールもある。 「ゼロの指し手」とは、反対側の盤面の同じ位置に駒を移動するものである。チェックされている時には、キングはゼロの指し手をすることができない。
Partonは、4×8の小さい盤面を使うバージョンを提案した。
Parton版の初期配置図
Alessandro Castelli は、3個の短い鏡の国のアリスの棋譜を送ってくれた。
ゲーム1
1.e4/B e5/B 2.Qh5/B g6/B 3.Q:e5/A mate (Castelli-Pugnali, Grand Prix 1993,
1-0)
ゲーム2
1.d4/B e6/B 2.Bg5/B Be7/B 3.Bf4/A Bb4/A mate (Kustrin-Castelli, Grand Prix
1995, 0-1)
ゲーム3
1.e4/B d6/B 2.Bc4/B Q:d2/B 3.Bb5/A mate (Castelli-Jelliss, Grand Prix 1995,
1-0)
原文:
Edward Jackman 訳: 関 勝寿
このページは、Hans BodlaenderさんのThe
Chess Variant Pagesを日本語に訳したものです。
This page is the translation of The
Chess Variant Pages maintained by Hans
Bodlaender.
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