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大局詰将棋 No.2 正解

問題2の解答です。

詰将棋問題図面

作意手順

▲13十一鉤行 △8四天狗 ▲5三銀車成 まで3手詰

変化長手数手順

▲13十一鉤行 △13九天狗 ▲同鉤行 △12四風龍 ▲5二鉤行 まで

このように2手伸びるので、この作品は不完全作である。

解説

初手は、鉤行を動かす手が1084通り、玉将を動かす手が8通り、銀車を動かす手が5通り(不成を含める)の、合計1097通りある。玉将を動かす手は、すべて風龍で鉤行を抜かれて逃れる。銀車を動かす手は、5三と5五は天狗によって取られる手が逆王手で失敗。▲5四銀車成は、△同大鳩であれば▲8五鉤行で詰むが、△4六玉将とされると、天狗による逆王手となり詰まない。よって、初手は鉤行を動かすことになる。

まずは、鉤行を6筋よりも右側(このように書いたときには6筋を含めるものとする)、すなわち1筋か3筋に動かす手を検討する。五段目よりも下に動かす手、たとえば▲1七鉤行に対しては、△6五玉将が逆王手となり詰まない。四段目に動かす手に対しては△4四天狗が、二段目に動かす手に対しては△6五玉将がそれぞれ逆王手で詰まず、一段目と三段目はすべて天狗の効きとなっている。次に、鉤行を7筋に動かす場合であるが、九段目よりも上はすべて受方の駒が効いている。十段目よりも下に動かすと、△7九天狗の逆王手にて逃れる。▲7十三鉤行とすれば△7九天狗は逆王手とはならないが、今度は△4六玉将の逆王手で逃れる。

したがって、鉤行は8筋よりも左側に動かすしかない。そこで、これからは鉤行を8筋より左に動かす場合について検討する。六段目よりも上に動かす手は、すべて△4六玉将が逆王手で逃れている(8六は同玉将)。七段目よりも下に動かす手は、△8四天狗が逆王手になると詰まないので、天狗の8四→14十→9十五の筋に鉤行を動かして、△8四天狗が逆王手にならないようにする必要がある。そうはいっても、これらの筋は天狗が効いている升目がほとんどであり、効いていないのは11十三と12十二と13十一の3箇所である。▲11十三鉤行と▲12十二鉤行は△4六玉将と逃げられ、天狗のにらみで鉤行を動かせず、▲5六銀車成は△同嗔猪、▲5五銀車成または▲5七銀車成は△2六玉将で詰まない。

そこで、最後に残されたのが正解手▲13十一鉤行である。玉将は逃げ道がないので、合駒で防ぐことになる。本手順△8四天狗に対しては▲5三銀車成で詰むが、他にも△13九天狗あるいは△12四風龍とする手がある。△12四風龍に対しては▲4五鉤行で詰むが、△13九天狗に対しては「変化長手数手順」で示したように手数が伸びてしまうため、不完全作であった。

詰め上がり図

詰め上がり図

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