シュエット (Chouette) は、3人以上のグループで楽しむことのできる バックギャモンです。 人数は、3人以上であれば何人でも可能ですが、10人もいるとちょっときついので、 3〜5人程度で行われることが多いと思います。 まず最初に、一人が「ボックス」になります。 ボックスは、残りの人全員と対戦することになります。 たとえば、4人でシュエットをする場合には、1対3の戦いになります。 そして、ボックス以外の全員の中で、順番を決めます。 順番が1番の人が、「キャプテン」となります。 キャプテンが、ボックス以外のチームを代表してダイスを振り、 チェッカーを動かします。 つまり、ボックスとキャプテンがボードを挟んで、対戦をすることになります。 それ以外の人は、キャプテンを応援することになります。 なにしろ、キャプテンが負けると自分の得点が下がることになります。 応援するといっても、助言に関しては制限がありますので後述します。
ボックス |
テーブル |
キャプテン |
2番目 |
3番目 |
…… |
最後尾 |
ボックスが勝った場合、ボックスはそのままで、キャプテンは最後尾へ 落ち、2番目以降の人が順位が繰り上がって、2番目がキャプテンになります。 キャプテンが勝った場合、ボックスがボックス対抗チームの最後尾に入り、 キャプテンがボックスに入ります。2番目以降の人の順位は繰り上がり、 2番目がキャプテンになります。 つまり、今、ボックスでもキャプテンでもない人は、勝敗に関わらず、 次は順位が一つ繰り上がって、今、2番目の人が次のキャプテンになります。 そうすると、ボックスと最後尾が空きますので、ボックスとキャプテンのうち、 勝った方が次のボックス、負けた方が次の最後尾となります。
現在の場所 | 勝ったときの次の場所 | 負けたときの次の場所 |
ボックス | ボックス | 最後尾 |
キャプテン | ボックス | 最後尾 |
2番目以降 | 順番があがる | 順番があがる |
細かいルールは、いろいろな違いがあるようですが、いろいろなことを 書くと混乱するので、ここでは現在最もポピュラーと思われるルールに ついて記述します。
ボックスがダブルをかけるときは、相手チームの数だけダブリングキューブを 出します。そして、キャプテンから順番に、テイク、パスの判断をします。 テイク、パスの判断は、各自が独立に行うことができます。 全員降りたときには、その時点でゲームが終了します。 一人でも受けた場合には、ゲームは続行します。 キャプテンが降りたときには、テイクした人の中で、最も順番の上の人が キャプテンの代わりにゲームを続行します。
チームからダブルをかけるときには、各自がそれぞれ自分のキューブを 持っていて、独立に行うことができます。 すなわち、キャプテンがダブルをかける前に、他のメンバーがダブルを かけることが可能となります。 そこで、ボックスが降りてしまった場合には、まだダブルをかけていない 人がいれば、そのままゲームが続行します。 2人以上から同時にダブルをかけられたときには、ボックスはテイク、 パスの判断は統一する必要があります。つまり、1人目はテイクだけど 2人目はパス、ということはできません。
リダブルをかけるとき、受けるときも、通常のダブルと同様に行います。 まとめると、キューブはチームの数だけ用意され、チームのメンバーそれぞれが キューブを持ちます。 そして、ダブルをかける判断とテイク、パスの判断については、通常の ギャモンと同様に、各自が独立に行うことができます。
点数は、キューブの数にしたがって、通常のギャモンと同様につけられます。 ボックスは、全員の点数を合計した数が得点となります。 たとえば、ボックスが3人にダブルをかけて、2人は降りて、1人は 受けて、結果としてボックスがギャモン勝ちをした場合には、 降りた2人はマイナス1点ずつ、受けた1人はマイナス4点、 ボックスはプラス1点が2人とプラス4点が1人の合計で、 プラス6点となります。
チーム内での助言、相談は最初はできませんが、キューブを使ったところから 可能となります。つまり、ボックスのダブルを受けた人と、ダブルを かけてボックスに受けられた人のみ、キャプテンと相談をする権利を 得ることができます。
このようにして、点数をつけながら交替でゲームを続行し、合計の得点を 競うのがシュエットです。最初は、この説明を読んだだけでは混乱することと 思いますが、ルールを知っている人と何回かやってみることで、だんだん 分かって来ることと思います。 数人の仲間で楽しくプレイをするためには、持ってこいのゲームだと いえるでしょう。上級者と初級者がいっしょのチームになった場合、 初級者は上級者の意見を聞くことができるので(特に、キューブがあがったときは 上級者も自分の得点に大きくひびくので真剣になる)、上級者の考え方を 知ることができて、勉強になります。 外国人の場合、シュエットで意見が割れて長い間議論になる場合も あると聞いていますが、そのようにとことん勝負にこだわって妥協を 許さずに最善のムーブを追求するもよし、和気合い合いと楽しむもよし、 いろいろな楽しみ方があるのがシュエットであると思います。 ぜひ、一度は経験してみて損はないと思います。
情報提供フォーム から送られた質問と、その回答をまとめます。
まだ作成していないのですが、シュエット説明の PDF バージョンを作成しておくと、 たとえばシュエットの大会を開くときに印刷して参加者に配布することができて、 便利かもしれないな、と思っています。 大会を主催されている方から要求があれば、さくさくっと作ります。
ちょっと真面目に検索したところ、いろいろなサイトでシュエットの ルールが記述されていることが分かりました。 時間ができたら、これらのサイトを研究して、もっと分かりやすく 書きかえたいと思います。 はたして、いつになることか?