永世中立国のスイスでさえ、自衛のための軍隊を持っている。中立国になるには、軍隊が必要なのである。
なぜそんなにローマの目の敵にされたかと言うと、それはカルタゴがひところ前の日本と同じ経済大国というか、自分の国の利益しか考えなかったので(今でもそうだけど)、発展途上にあって地中海に乗り出そうというローマの目障りだったからだ。
その頃地中海沿岸にはローマ、ギリシャ、エジプト、その他色々な国があったが、常設の軍隊を持たなかったのはカルタゴだけだ。ポエニ戦争は160年くらいの間に3回戦われたがいずれもローマが勝ち、カルタゴは負けた。カルタゴは常設軍こそ持たなかったが、いざ戦争となると経済力に物を言わせ傭兵を雇って戦争していた。
特に有名なのは第2次ポエニ戦争で、ハンニバルという有名なカルタゴの将軍が象を連れてジブラルタル海峡を渡り、ピレネー山脈も越えてローマを急襲したことだ。ローマはもう少しで落されるところだったが、ローマのスキピオ将軍が海を渡りカルタゴ本国をついたので、戦況を逆転できた。ハンニバルが本国に1万でも2万でも守備隊を残していたら、世界の歴史は変わっていたかもしれない。歴史でタラ・レバをいってもしようがないが、ローマ帝国ではなくカルタゴ帝国が歴史の教科書に載っていたかもしれないね。
「君子豹変」という言葉がありますね。君子なら豹変して下さい。 (1998.7.20記)