衆愚政治

衆愚政治とは広辞苑によると、「Ochlocracy、多数の愚民による政治の意で、民主主義の蔑称。もと、古代ギリシャのアテナイでの民主主義の堕落形態を指した。」とのことである。

日本は既にマスコミにより一億総白痴化が済んでいるので、衆愚政治であることは論をまたない。2〜3日前日本共産党委員長(こういうページの場合固有名詞は避けるべきなのだが、今の場合はすぐ分かるので敢えて実名で記す。)の選挙演説を聴いたが、彼によると、戦後日本は保守政治の連続によって国民生活は悪くなる一方だったのだそうである。

え、何言っているの。保守政治の連続によって日本は世界有数の経済大国になったんじゃなかったの。それとも日本共産党が天下を取っていたら、今ごろ日本は世界第一の国になっていて、今や World Leader をしていたとでも言いたいの。そんな事を言っているのではないことは分かっているけれど、あなたは共産党が今「国民」に向かって何を言うべきかが分かっていないみたいですね。

そうです。共産主義が如何に悪いかはソ連の歴史が証明していると、「国民」は皆、いや少なくとも私は分かっています。今、日本共産党がやるべき事は、ソ連がなぜ失敗したかを徹底的に分析し、日本共産党はその失敗をしないでその部分はどう変えるつもりだと言うことを公表することだと思う。

マルクスの資本論は正しいと思う。とすると、レーニン・スターリン体制が基本的に何処か間違っていたはずだね。そんなことは十分研究済みだろうが、それを公表しないということに何か引っ掛かりを感ずるね。やっぱり馬鹿な国民を騙そうとしているとしか思えないね。

こんな事を書いているが私はソ連へ行ったこともないし、本当は良く分からない。一つだけ分かっているのは、ソ連には自由がなかったことだ。政党も共産党以外は認められなかった。共産党の選挙公報を見ると、自分が天下を取ったら他の政党をすべて非合法にするとは書いてない。当たり前だよね。そんな事を書いたら誰も投票をしないもん。しかし、いまのまま自民党も、社民党も、自由党も、・・・その他もろもろの政党をそのまま認めるとも書いていない。ここが一番大切なところなのだが、そこが抜けている。それとも、政権を取る気なんか初めからないのかな。それならそれで理解できる。野党の国会議員なんて、ただ時の政府の悪口を言っていればいいんだから本当に楽だよね。


共産党とかソ連のことになると言いたいことが一杯あってつい横道にそれてしまったが、衆愚政治に戻る。今の日本の最大課題は景気回復であることは私も認める。私の見るところ、どうも景気低迷の元凶は消費税を5%にしたことにあるということになってしまったようだ。本当にそうなのかね。自民党以外の野党は大部分選挙公報に消費税の撤廃ないし軽減を謳っている。自由党までそう書いているのでがっかりした。消費税を下げれば確かに少しは良くなるかもしれないが根本的解決にはならないのではないのかな。もし消費税の撤廃ないし軽減で回復することがあったとしても、それはそうしなくても景気循環の周期により、あるいは日本の大企業・中小企業の努力に負う所が多いと思うね。

消費税をなくす減らすと政治家が言うと、「ああそうかな、それじゃそれまで待とう。」と思う国民は不要不急品を買い控えるから、ますます景気回復は遅れるんじゃないの?

また、横道にそれてしまった。選挙のとき野党が時の政府の悪口を言うと、そうだそうだとなるのが日本国民の愚民である所以だ。今は橋本政権の政策失敗により景気が回復しないということになっている。誰がやっても同じだったのではないかな。少なくともいまの日本の政治家では。だってどうしたら景気が回復するかは誰にも分からない。勿論経済オンチの私に分かるわけない。それを今度の選挙で野党は橋本さんの責任にしようとしている。そうだそうだとなるのが日本の国民の大部分で、これが私が日本の政治は衆愚政治である証拠であると(残念ながら)思っている理由である。

まだ言いたいことは一杯あるのだが、あまり長くなるのも問題なので、そのうちにまた日を改めて...
(1998.7.11 参院選挙の前日記)