教科書問題を考える(愛国論その8)
先日韓国の幹部が来日して、近く教科書検定問題について正式に異議を申したてるとの話に対し、遠山文部科学大臣が「調査の上、史実と著しく異なっていると判明した場合には、然るべき措置をとる。」と回答したのは立派であった。本来なら「我が国の歴史教科書にどんなことが書いてあっても、それは我が国の事情であり国策である。貴国の歴史教科書だって、日本人にはずいぶんいい加減なことが書いてあるように見える。しかし、我々はそれに抗議したことはない。なぜならそんなことは内政干渉になるからだ。」というべきなのだが、そんなことを言ったらたちまち文部科学大臣の辞職問題に発展してしまう。本当におかしな世の中である。
先に、「侵略でもない、進出でもない、対露防衛である」という繰り言を書いたが、
たまたま最近、教科書検定につき中国及び韓国から抗議された。私と同様この問題に憤慨している人から、中国の歴史教科書の内容が産経新聞2月27日から3月24日までの間、連載記事で出ていると伺って図書館でその連載記事を見た。実にひどい内容である。以下、22回に亘る連載記事のテーマと、私の感想を掲げる。
- (2/27)「異」を認めぬ「被害」の心象
固定化した中国絶対主義
- (2/28)記憶に焼きつける残虐の画像
小学1年生に「百人切り」
- (3/2)「否定することは許されない」
「南京大虐殺」の記述
- (3/3)「共産党の中国」愛する糧に
抗日知らしめる意義
- (3/4)東京裁判判決を水増し引用
南京事件の犠牲者数
- (3/6)「日帝」への恨みと怒りを刻む
「虐殺」教育の目的
- (3/7)政治的な判断で記述も変化
時代で動く教科内容
- (3/8)判決が排した主張を根拠に
東京裁判のすり替え
- (3/9)マルクス主義史観あらわに
江戸時代の階級闘争
- (3/10)「旅順で住民1万8000人を虐殺」
日清戦争は侵略戦争か
- (3/11)侵略非難の矢は日本だけに
日露戦争と西欧列強
- (3/13)孫文と日本との絆は教えず
親日派はいつも「売国奴」
- (3/14)偽造「田中上奏文」も”史実”に
教科書の明白な間違い
- (3/15)「史実」ねじ曲げ、さらに拡大
盧溝橋事件での断層
- (3/16)90年代に被害数字が拡大
「残虐」強調が最大の特徴
- (3/17)戦後の「平和・日本」教えず
音楽や国語でも日本憎悪
- (3/18)特別展示と「30万」の主張
南京大虐殺記念館の政治性
- (3/20)政治的動きもきわめて露骨
「731細菌部隊」の展示
- (3/21)日本の首相は受け入れたのか
抗日戦争記念館の歴史観
- (3/22)日本への憎しみ永久保存
抗日記念彫塑公園の情景
- (3/23)未来に教訓生かすことなく
「理」の課題に「情」の指針
- (3/24)前向きであればこそ禁忌排し
連載を終えて
本日、保守党の幹部が中国を訪れ、副首相に「小泉首相の靖国神社参拝には、中国国民は重大な関心を持って見守っている。」と言われそれをかしこまって承った、なる報道があった。私はこの中国副首相の発言には嘘があると思う。大部分の「中国国民」はそんなことには関心はないはずだ。だから、件の副首相は「中国政府は云々」というべきであった。なぜなら、
私は複数の中国人を知っているが、彼らが上に述べたような教科書で教育を受けてきたとは思えないからだ。皆日本に好意を持っているように見える。小さいときにそんな教育をされたら、私だったらそんなに悪い日本へは行かない。私が知っている中国人たちは皆馬鹿で、学校で教わった歴史を理解できなかったのだろうか。そうではなく、自国の歴史等彼らは興味がないのだと私は思う。均一な考え方をする「中国国民」などというものはなく、自分の親類縁者の幸せのみを考える大部分の人からから今の中華人民共和国はなりたっていると、私は考えるのであるが、どんなものだろうか。
(2001.6.8記)